茨城県日立市に、「塙山キャバレー」という場所があります。
まるで昭和の空気がそのまま残っているかのようなその場所は、ひっそりと心に傷を負った人を癒し続けています。
今回は、その塙山キャバレーが2023年1月15日放送の『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)で特集されるということで、塙山キャバレーの歴史や場所、過去の事故のことなどを調査していきますよ。
塙山キャバレーとは?歴史や由来は?
「世界有数の電機メーカー「日立製作所」。その前身である「久原工業所日立鉱山」の企業城下町として栄えた茨城県日立市。
その町の一角に、時代の流れから外れたかのようなエリアがあります。それが「塙山(はなやま)キャバレー」です。未舗装の路地に、ほとんどが青いトタンで作られたバラック小屋と言われるような建物が立ち並ぶその佇まいは、戦後の景色そのもの。
一人の男が作った露店は、青トタンの櫛比する小さい街になった。工員客が詰めかけ、いつかなくなった今宵も、客が集まる。そのわけは、書きました。
常陸多賀・塙山キャバレー拙著「昭和トワイライト百景」掲載 特集1 pic.twitter.com/r9o7UWu6yd
— フリート横田 (@fleetyokota) April 8, 2019
まるで映画のセットみたいです!
このような建物ばかりの塙山キャバレーですが、2011年の東日本大震災では1軒も倒壊することなかったんです!密集して支え合っているような構造なのが、功を奏したのかもしれませんね~。
「キャバレー」というと1軒のお店のようですが、ここは10数軒の飲食店が密集しているエリアで、その全体の通称が「塙山キャバレー」と呼ばれているのです。
また、日本における「キャバレー」というとホステスが接客するお店というイメージですが、ここでは個人が経営する屋台というか居酒屋のような小さなお店の集まりなんです。
塙山キャバレーが誕生した時期は定かではありませんが、鉱山の街として栄えた日立市には多くの鉱山夫がおり、彼らの憩いの場として飲み屋が出来たのが発祥のようです。
以来50年以上続くこの塙山キャバレーは、地元の客だけでなく、このディープな雰囲気を味わいたいがために県外から訪れる客も少なくないのですよ。
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塙山キャバレーで店を営むママの中には、母親に売られそうになったところを逃げ出して流れ着いた女性や、夫と息子を立て続けに亡くした女性など、訳ありの方もいます。
そんなママたちが生きるために身を寄せ合い、お互いに支え守り合っている塙山キャバレーは、今日も時間が止まったような空間で、客と語り合い吞み合いながら、客の心の傷も癒しているのです。
塙山キャバレーの場所はどこ?
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- 名前:塙山キャバレー
- 住所:〒316-0015 茨城県日立市金沢町1丁目1-12
- 最寄り駅:常陸多賀駅
- 最寄りバス停:塙山
塙山キャバレーは茨城県日立市金沢町にあります。
国道6号線沿いの「塙山十字路」に位置しており、駐車場はありません。
JR常磐線の常陸多賀駅から約1.5kmほど離れているので、徒歩だと約20分かかります。
決して歩けない距離ではありませんが、歩くのがしんどいという方はバス(茨城交通)のバス停「塙山」で降りましょう。
「塙山」で降りれば、すぐ目の前が塙山キャバレーです♪
塙山キャバレー火事で死亡事故があったの?
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上の画像をご覧ください。塙山キャバレーは真ん中がぽっかり空いた空間がありますね。
これは駐車場ではありません。
2011年の東日本大震災にも倒れることのなかった塙山キャバレーですが、2014年1月16日未明に1軒の店が漏電により出火。
周囲の店と合わせて5件が全焼してしまいました…。
未明(0時~3時)という時間帯は、飲み屋街であればまだまだ酔った客が多くいるはずですが、この火災では不幸中の幸いで、けが人も死者も出ませんでした。
しかし、出火元となった店の店主は…
『酒と涙と女たちの歌 2 ~塙山キャバレー物語~ 前編
この地で火事を起こした元ラーメン店主の“のぼるちゃん”。2022年3月、自宅アパートで一人亡くなっているのを「めぐみ」ママが見つけたという。生活保護受給者のため、遺体は市が引き取り、その後の行方は分からない』 #ザ・ノンフィクション pic.twitter.com/IigRhxq1vV
— @awesome_WM34 (@awesome_WM34) January 8, 2023
出火元となった元ラーメン店の店主のぼるちゃんは、店を再建することもかなわず、火事の後は生活保護受給者になっていました。
そして、2022年3月に孤独死されていたのを、同じ塙山キャバレーの「めぐみ」のママが発見されたのだとか。
自分の店だけでなく他の店にも被害を広げてしまった元店主。
その後の人生はどれほどツラい思いをして過ごされていたのか…想像するだけで胸が潰れそうになります。
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お店のママ達や訪れるお客さん達が抱える悲喜こもごもを、まとめて包み込んでくれる塙山キャバレー。
どんなに街が発展していっても、いつまでも失いたくない場所になっているようですね。
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