ダウン症を抱えながら、19年間真摯にダンスに打ち込み、パラリンピックの開会式という大舞台でその見事なダンスを披露した、待寺優さん。
その待寺優さんの軌跡が、10月24日放送の「ザ・ノンフィクション」で紹介されます。
ダウン症でありながら、待寺優さんがいかにダンスと出会い、ダンスに魅せられ、世界中の人にそのダンスを伝えられるような存在となったのか。今回は、そんな待寺優さんについて調査していきます。
待寺優さんのプロフィールや経歴、ダンサーとしての現在、そしてそんな待寺優さんの原点となったダンススクールまで、待寺優さんのキラキラした素顔をご紹介しますね!
待寺優のwiki風プロフィール!経歴は?
最初に待寺優さんのプロフィールから。
・名前:待寺優(まちてら ゆう)
・生年月日:1990年2月14日
・出身地:神奈川県小田原市東町
・家族:父、母、兄、姉
待寺優さんは、3人きょうだいの末っ子に生まれた、現在31歳。ご両親は、待寺優さんが生まれ、ダウン症であることを知らされたとき「暗黒の世界に突き落とされた」と思われたそう。
ダウン症とはとは先天的な障がいで、
- 未発達児で生まれることが多い
- 合併症にかかりやすい
- 早期に老化が始まる可能性がある
など、さまざまな弊害があり、1960年にはダウン症の子はの多くは10歳前後までも生きられないと言われていました。待寺優さんが生まれた少し前の1980年代でも、平均寿命は25歳といわれていたのです。
そんな時代にダウン症であるお子さんをもって、ご両親はどれほど心配されたことでしょう。
(※現在は、医療の発達により、平均寿命は飛躍的に伸びています。)
さらに待寺優さんは、ダウン症の合併症で心臓に穴が開いていました。そのため、生後わずか9か月で生死の境をさまよい、大手術を受けました。
ご両親は、そんな待寺優さんの将来を深刻に受け止められていたことでしょう。
しかし、待寺優さんが12歳の時、運命的な出会いがあります。それがダンスでした。
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あの、安室奈美恵さんやMAX、DA PUMPらを輩出したことで知られる「沖縄アクターズスクール」でインストラクターをされている牧野アンナさんが作った、ダウン症の方のためのエンターテインメントスクール「LOVE JUNX(ラブジャンクス)」。そこで出会ったダンスで、待寺優さんの人生は大きく変わったのです。
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それから待寺優さんはダンスにのめりこみ、ひたすら練習する毎日となりました。
実はダウン症の症状の一つに「筋肉の低緊張」というものがあります。これは、筋肉の張りが少ないということです。
健常者は無意識に筋肉の緊張をコントロールしているのですが、ダウン症の方々はこの低緊張のために、姿勢を保ったり運動したりするのに、健常者以上に体力を使わなければいけません。つまり、とても疲れやすいのです。
そして、健常者に比べ筋肉が付きにくいという特徴もあります。
また、ダウン症の合併症としてよくあるのが心疾患。ですので、激しい運動ができない方も多いでしょう。待寺優さんも心臓の手術を受けていますから、その心配もありました。
しかし、そのたゆまぬ努力と才能から、17歳のころからプロの舞台に立つことができるようになります。
また、待寺優さんはボーカルとしても活躍され、CDデビューも果たしています。
待寺優さんCDデビュー
参加スクールの記念盤で
/タウンニュース小田原版https://t.co/K4NSdhgSEn pic.twitter.com/xwZgzZwMwQ— ダウン症ニュースWeb 編集部 (@jdsnews) November 18, 2017
先にご説明した「低緊張」のため、ダウン症児は口が半開きになったり舌が口から出たままになったり、滑舌が悪かったりという症状が多くみられます。また、ダウン症の方は新しいことを覚えたり、正しい音程をとることも難しいそうです。
しかし待寺優さんは、それらを克服すべくトレーニングを積み、素晴らしいボーカリストにもなりました!
そしてとうとう、30歳の時に東京パラリンピックの開会式のオファーが舞い込んだのです!
残念ながら、2020年はコロナで中止となりましたが、翌2021年、無事に開会式が催され、待寺優さんは夢の舞台に立ちました。
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こちらの動画の1分40秒~あたりで、待寺優さんがダンスを披露されています。デコトラで登場した布袋寅泰さんの目の前でのパフォーマンス!
ダウン症の症状を多少なりとも知る人なら、「健常者並みのダンスは無理!」と思うかもしれません。
ですが待寺優さんは、この大舞台に立つことにより、ご本人だけでなく、すべてのダウン症の方々に、底知れない可能性と輝く未来があることを示されたのです!
待寺優の現在は?
待寺優さんは現在、所属するLOVE JUNXのダンスイベントに参加されたりしています。
2020年には、ダンスパフォーマンスグループ「PaniCrew(パニクルー)」の植木豪さんが演出を務めるショー「WASABEATS」とコラボした「WASABEATS featuring Love Junx」に参加しています。
めっちゃかっこいいですよね!周囲のダンサーに引けを取らない存在感に、目を奪われてしまいます。
「低緊張」という特徴があるダウン症ですが、実は青年期を過ぎると、今度は筋肉が硬くなってくるという特徴があり、そのまま放っておくと、30~40代になると極端に運動機能が低下してしまいます。
幼いころからダンスを続けている待寺優さんは、そこまで運動機能が落ちることはないでしょうが、やはりダンサーとしてもピークは過ぎていることでしょう。
大きな夢を一つかなえた待寺優さん、これからはどのような人生の選択をされるのでしょうか。
待寺優のダンススクールの場所はどこ?
待寺優さんが所属する「LOVE JUNX(ラブジャンクス)」についてご紹介します。
「ラブジャンクス」は、ダウン症のある方の可能性を広げる、世界で初めての本格エンターテイメントスクール。
筋肉がつきにくいダウン症のある方によるダンスは、国内外の医療や福祉の専門家にも注目されています。
現在では800名以上が在籍する国内最大級の活動団体!彼らの笑顔で野音も笑顔に♪ pic.twitter.com/SHMrJjRvGK— AION CLASSIC (@aion_lpm) August 13, 2019
・所在地:大阪市西区北堀江2丁目17番9号
・電話番号:06-6543-4766
・公式HP:https://turbox.jp/
・メールアドレス:lovejunxinfo@gmail.com
ラブジャンクスは、ダウン症の方のための本格的なエンターテインメントスクールとして創設されました。
ダウン症の方々に、ダンスや歌、演劇などエンターテインメントの楽しさや、表現することの喜びを伝えること。そして、多くの人たちにその舞台を見てもらうことによって、ダウン症に対する理解を深め、誤解や偏見をなくしていくことを目的としています。
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ラブジャンクスには、大きく分けて2つのクラスがあります。
・基本クラス:小学1年から(関東のみ小3から)
・劇団クラス:中学生以上(オーディション合格者のみ)
基本クラスは、習熟度によりエンジョイ、ステップアップ、アドバンスの3つに分かれています。
レッスンは、関東、関西、北海道で行われており、レッスン料は、体調不良でお休みされる方のために、月額ではなく1レッスンごとになっています。
・関東/関西:1,650円
・北海道:2,200円
レッスン会場は以下の場所となります。
【関東】
・国立オリンピック記念青少年総合センター
〒151-0052 渋谷区代々木神園町3番1号 TEL:03-3467-7201
・障害者スポーツ文化センター横浜ラポール
〒222-0035 横浜市港北区鳥山町1752 TEL:045-475-2001
・関内ホール
〒231-8455 横浜市中区住吉町4-42-1 TEL : 045-662-1221
・鶴見区民文化センターサルビアホール
〒230-0051 横浜市鶴見区鶴見中央1-31-2シークレイン内 TEL : 045-511-5711
【関西】
・ラブジャンクス 3F スタジオ
〒550-0014 大阪市西区北堀江 2-17-9 SERAビル3F TEL:06-6543-4766
【北海道】
・サッポロファクトリーフィットネスクラブ内スタジオ
〒060-0032 札幌市中央区北2条東3丁目サッポロファクトリー西館 TEL:011-206-1160
見学や無料体験レッスンも行われていますので、ご興味のある方はHPよりお申し込みください。
生まれつきの障がい、周囲からの好奇の目、そして未曽有のコロナ禍…。
数々の困難を乗り越え、なお強い輝きを放つ存在となった待寺優さんが、今後どのような新たな人生をつかみ取っていくのか、注目していきたいですね♪
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